2016年1月10日日曜日

美しい 人の動き

「端折る」ことが私は苦手だ。

詩を紡ぐ時は全く別の取り組みなのでそうはならないのだが、
コラムや随筆のように自分の感じていることを言葉にしようとすると、
どうしても言葉数が多くなってしまう傾向にある。

元日にUPしたブログで「出会った」と表現した彼女のことを紹介するにあたり、
必要なことは漏れなく伝え、
不必要なことは出来る限り省いて表現する努力を試みたいと思う。

その方に初めてお会いしたのはジムのHIP HOPのレッスンだった。

クールでキレのいいダンス。HIP HOPなのに、なんて軽やかなバイブレーション!

彼女はステップや動きの仕組みや注意点をわかりやすく簡潔に言葉にしながら、
短い時間の中でHIP HOP初参加の人も含めてなんとか踊れるところまで丁寧に教えて下さっていた。
それはとってもわかりやすく、頻繁にストレッチを挟んで下さるのもありがたく、
私はいっぺんでファンになってしまった。

HIP HOPに限らず、他の先生のレッスンを複数受けている状態での初参加のクラスだったのだが、
それまでのジムのレッスンでは、体の使い方を彼女のように丁寧にニュートラルに教えてもらえたことはなかった。

そして、その軽さ!アメリカのダウンタウンで育ったHIP HOPは、
上手なダンサーが踊っているのを見ても、独特の重さとガッチリとした強さ、
ケンカ上等のような戦い感が持ち味のように思うが、
彼女のダンスは弾むようにしなやかなのに、軽やかで全く戦闘的でなく、
なんともゴキゲン♪なのだ(^^)v

すっかり彼女のレッスンが気に入ってしまった私は、
週1のレッスンを楽しみに参加するようになった。
しかしそのうち週1では物足りなくなり、
もっと彼女のレッスンに参加したいと思うようになった。

早速ジムの講師検索で調べてみると、
彼女はバレエの講師で、なんと!私が関心を寄せていたコンテンポラリーバレエの指導もされていることがわかった。

ああ、そうか、と納得。バレエを踊られるなら、全身くまなく意識が行き渡っていて、
力や押しではないところでHIP HOPを踊られているのであんなに軽やかなんだ。

コンテンポラリーをされているとのこと、どんな踊りをされるのかしら・・・

ネットで彼女のブログをみつけ、
過去に発表されたパフォーマンスの映像を発見した。



私は彼女のダンスの世界に吸い込まれ、感応し、
キューピットの矢に射抜かれたように感電してしまった。

なんという軽さ。柔らかさ。

人のからだの動きは、こんなにもしなやかで美しいものか。

空間にふんわりと浮かんでいるように、なめらかに流れるように動く手足。
そう見えているのは、
重力に縛られているはずの人体がしっかりとコントロールされているからだ。

始まりから終わりにたどり着くまでの物語。
あたかもその瞬間にすべてが解き放たれたように起こるダンスを支えている緻密な必然。

私のいのちが、そのエナジーとバイブレーションに共鳴し、
まるで自分が踊っているかのような感覚になると、
私のからだの中に音楽が大音量で響き始め、やがて私のいのちは音楽そのものになってしまっていた。


・・・やはり言葉が多くなってしまう。


彼女は広田 恵理子さんといい、ERK Nouvelle Ballet という
コンテンポラリーバレエのスクールを立ち上げている。
http://erknouvelleballet.jimdo.com/

彼女の作品映像をお見せしたい。
 楽曲:Illumination by Secret Garden

※真ん中のPLAYボタンをクリックし、映像枠の右下にあるYouTubeのロゴをクリックすると、YouTubeの大きな画面で見ていただくことができます。



空間に解き放たれる美しい舞い、美しい、人の動き。

この世界に生まれてきて、
音楽の泉のほとりに生きる道を選んできた。

同じように、人に生まれてきて、このからだで生きる時、
可能な限りのコントロールを実現し、生命の美を解き放ちたい・・・・・


以来、この頂きを目指して、裾野からの必死の登山が始まった。







2016年1月1日金曜日

20年ぶりのブログを始めます。

2016年、明けましておめでとうございます。

私が「あまりあ」として活動を始めてから、ほぼ20年。
当時はPCが家庭に普及して、
私のような、あまり機械に明るくないヒトでもコンピューターに取り組めるというだけで、
なんだか新しい世界に踏み込んだような気がして、
可愛がっていた白柴のユキというイヌの散歩がてら、
家のまわりの武蔵野の自然を一生懸命写真に撮ってはブログにUPしていました。

あれから20年。

前半の10年は、人道支援活動に参加させていただいたり、
様々な場所でコンサートやワークショップなどをさせていただきながら、
当時所属していた音楽事務所で経験を積んでいました。

そんな中、10年目にソウルメイトの月音と出会い、
新しい活動が動き出します。
そのあたりの事は、また折をみて書いてみたいと思います。

ところが、その活動を徐々にひろげていた最中、
それまで元気に飛び回っていた母が足の手術で入院。
日常生活に恒常的なサポートが必要になり始めます。
すると次々に故障が発生し、どんどん介護度が増していき、
やかて障害者手帳を持ち、要介護4という状況に。
同時に母より7歳年上の父も様々な病が表れ始め、
みるみるうちに、
日々の暮らしの真ん中に両親の介護という仕事が根を張ることになりました。

それまで年間数本の長いコンサートツアーで遠方でのお仕事もさせていただいていましたが、
徐々に仕事を縮小。

生活の真ん中に介護があることで、それまでのように自由に時間を使うことが出来なくなり、
それまでじんわりと続けていたブログを書き込む時間を捻出するのが難しくなってしまいました。


そんな私が、昨年2月、ジム通いを始めました。
きっかけは、なんとライザップ(笑)

いや、ライザップに行った訳ではないんです。
50歳を過ぎて、肉体の衰えに対する懸念が色濃くなり、
肉体改造をするならもうタイムリミットだ!と焦っていた私に、
TVコマーシャルを観ていた母が言いました。

「あなたもこれをやるとこんなに痩せるのかしら?」

彼女が指差したのは、その頃一日に何度も流れていたライザップのCMです。

「これで痩せるかどうかはわからないけど、体を鍛えるなら、歳だからもう始めないとね。」と私。

すると、
「あなたが体を壊したら私たちの面倒をみてもらうことも出来なくなるわ。健康のためにトレーニングに行きなさい♪」と母。

なんと!介護を続けるための健康維持目的であれば、家を空けてトレーニングに通ってもいいということになったのです!!!

飛び上がるほど嬉しい母の申し出に私は小躍りしました。
すぐさま通える可能性のあるジムを探し出し、早速トレーニングを開始します。

すると、たくさんのスタジオレッスンがあり、
楽しそうなダンスプログラムが目白押しです。
私は時間の許す限り様々なダンスレッスンを受け、
じゃぶじゃぶ絞れるほど汗をかきながらたっぷり運動すること半年で、
なんと、20キロの減量に成功!

これは本当に汗と努力の結晶ですが、そのことよりも私の中でもっと大きかったのは、
ダンスへの愛が蘇った、というより、爆発したということ。

ダンスに没頭している時の幸せは、音楽に没頭している時のそれと全く同じで
生命の輝きが迸るようです。
音楽は私にとってすでに、生きることと同義語ですが、
しばらく離れていて、焦がれていたダンスとの復縁を果たした私にとって、
ダンスは、もうそれなしには生きられないものになりました。

そして私は、一人のバレエダンサーと出会います。

その方の舞台映像をみた時、私の中でなにかが大きく動き出しました。


結果、私は週5でコンテンポラリーとクラシックバレエのレッスンに励んでいます。
そして、バレエのレッスンへの取り組みを通して、
長い間お休みしていたブログを再開したいという気持ちが湧き上がってきました。

私の内側で新しい音楽が、流れが、生まれ出ようとしています。


音楽と踊り・・・太古の昔より、生命エネルギーの発露として人類とともに溢れ続けてきた芸術であり、コミュニケーションでもあります。

これからの日々、感じたもの、ことを、このブログで綴っていきたいと思います。